キリストと大国主
中西進、1994年、文藝春秋
中央図書館でいただいた。
タイトルがいかにもトンデモっぽいけど興味深い話も多い。多岐にわたるので何かのヒントになるかも。
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日本の真珠採りはペルシャ湾で行われていたものが海を伝ってやってきた? 土居光和先生の談
19
迷宮文様 単純なのは横線4本縦線5本 ドーマン(Dohman) 鳥羽の海女もヘラの柄につけている
一筆書きの☆は(セーマン Seman) 一筆書きは悪魔につけこむすきを与えない
20
海中の迷宮 それをイメージしたクノッソスの宮殿 迷宮=渦巻き
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糸を結んでおく話 アテネの英雄テーセウスが怪獣退治:アリアドネからもらった糸 三輪山伝説
20、24
リトアニアの考古学者 マリア・ギンブタス『古ヨーロッパの神々』言叢社
24
迷宮の動きを描く踊り:古代ギリシア 組紐や∞の形の動き 浦島太郎の足ずりの踊り 隼人の舞(溺れた動作のマネ)
26
海上の民=航海をする人は星を頼っていた 農耕民族の神話には星があまり出てこない
28
安倍晴明と芦屋道満の呪力比べ 晴明はセーマン道満はドーマンというのはインチキ臭い
32
一筆書きの星=ハーキュリー・ニット 星の形より一筆書きであることが重要 古代ペルシアBC3000、エジプト、ヌビア、キリスト教、中南米、鳥羽...あちこちにある
33-34
結び目 星は結び文様 フリギア(アナトリアBC1200-700)の王ミダスの伝説では「ゴルディアスの結び目」←結局アレキサンダー大王が剣で切った 結び=切れ目がない=永遠
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身体をあらわにするとき(風呂、トイレ、海など)悪魔が入りやすいので魔除け
ラビリンス、ハーキュリー・ニット:ペルシャ湾→インド洋→マラッカ海峡→中国沿岸北上 か?
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フリギア人に蹴るとの影響=組紐、木材利用
38
アレキサンダーが結び目を剣で切った=神話世界、祈りの力の終焉=巨大帝国、合理主義
39
ケルトの組紐文様 鶴岡真弓『ケルト/装飾的思考』筑摩書房
渦巻き:ペルシャ、唐草、日本の蕨手文
42
結び目=鬼=魔除け しめ縄はタイ、ミヤンマー、韓国、日本 結びもの=結界
46
×や□の中対角線に×は卍 卍は雷 雷=竜=剣
49
日本海側:九州宗像根拠地、隠岐の島、済州島、北限は新潟
瀬戸内海:大阪根拠地
東側:志摩、紀伊半島西、和歌山、淡路島、沖縄、中国福建省?、北限は千葉
50
真珠:ペルシャ湾→スリランカ→中国→沖縄→日本
52-79
世界各国にみられる、兎、ワニ、亀、ネズミの出てくる話
82-84
狛犬の起源はメソポタミア・バビロン?
85
オーストリア考古学者フォン・クレス=レーデン『エトルリアの謎』
エトルリア(エトルスキ人):アナトリアBC15Cローマからフィレンツェに文明 ローマ帝国により衰退 エトルリアの信仰はローマに受け継がれる
89
ローマ帝国の占い師はエトルリア人で、鳥占い、肝臓占い、雷光占いはメソポタミア起源
90
内蔵占い、内蔵=小宇宙 八世紀の日本李密翳(りみつえい)ペルシャ人 むらと=肝臓
92
ケルト=中央アジア(BC5C)→ゲルマンと重なり→中欧、西欧→ローマ帝国に滅ぼされる(1C)→スコットランド、アイルランド、フランス北西部
91-97
鳥巫の話
104
稲妻は天と地の交接
110-112
神が木からぶら下がる、犠牲を木につるして神に捧げる→キリストも十字架で死と再生をする 古代ゲルマンの神ボータン、アナトリアのアッティス(植物の神) キリスト教以前のゲルマンから地中海神話圏 大国主もその子供(木の俣の神)も木の俣で死、再生
121
木(植物)と泉
140
たそがれ:たそ=誰ぞ?→出会った人が誰だかわからない。人?神?鬼?
146
寄生木(やどりぎ):寄生木を髪に挿して長寿を祈る 大伴家持 越中の国司
ヤドリギの尊重:ケルト→シベリア→日本→北陸の土着の信仰?
151
ヤドリギ信仰は世界的:カンボジア、アフリカ...しかし北方起源、オリジナルは古代ゴール族、ケルトの神官(ドルイド)
ドルイドとは「カシの人」「万病を癒す人」
166
ガブリエルが持つユリ=アトリビュート 日本では「採り物(とりもの)」神を招き寄せるとき 榊(さかき)、幣(みてぐら)、杖、篠(ささ)...
170
マツ:ラテン語圏では筏や松明など実用木、アジアでは豊穣のシンボル
デュオニソス(ギリシア神話のバッカス)の採り物はテュルソス=松かさを先につけた杖
バッカスはインドまで旅をし、凱旋してきたときの車はトラやヒョウのこともある。トラ、ヒョウ:アジアの聖獣
183
ベニバナ 『播磨の国風土記』阿為山(あゐやま)応神天皇の時代山に紅草(くれのあゐ)が生えた=栽培:新羅からの渡来人
ベニバナの原産地:エチオピア(つまりナイル上流)か?(山形大学渡部俊三の説)
→BC25Cエジプト→中央アジア→BC2C中国→(北方経由、草原の道)→4C燕→朝鮮→6C日本
→インド→1Cポリネシア
中国では紅をつける習慣はない(胡人や匈奴・鮮卑が紅をつける)、燕
185
化粧はファッションではなく魔除け
189
『シルクロードの化粧史』森豊、六興出版
192
入れ墨:魔除け→刑罰
204
胡旋舞は日本に来たか?
あきづ羽の 袖振る妹(いも)を 玉くしげ 奥に思ふを 見たまへわが君
湯原王(ゆはらのおう)巻三、376
あきづ=トンボの羽のような透明の
「私の客人よ、私が深く愛するトンボの羽のような袖を振(って踊)る女性を 見てください」
胡姫が日本に連れて来られた?
『金枝篇』フレーザー卿 によれば踊りは植物の生長を促すための魔法踊りに始まる。
208
獅子舞:西域→中国→日本(伎楽)「くれのうたまい」と呼ばれた。くれ=呉=中国江南地方
推古20年、612年、百済から来た味摩之(みまし)が伝えた 聖徳太子お気に入り
伎楽のルーツは中央アジア?アフリカ?
新関良三氏説ではギリシア劇のミモス劇(大衆演劇)=次第に大道芸的ものまね劇→ローマのパントミムス
伎楽の中のエロティックな動きがギリシア劇にもある。
217
力士舞 マラフリ舞(マラ=男根)
崑崙が作り物の男根を仰木で叩きながら呉女(ごじょ
、江南の女性)に言い寄る
、江南の女性)に言い寄る
↓
金剛と力士が崑崙をやっつける
↓
男根を桙に縛りつけて舞をまう
ギリシア喜劇の行列でも男根を竿の先に立てるものがある(ゲインなのでBC4C演劇から姿を消す)
219
婆羅門
インドの高僧が下半身をあらわにし褌を振り回す=皮肉
ギリシアの裸踊り:ディオニュソスの弟子サテュロスはバロッス(男根)を誇張して踊る
225
ポロ:ペルシア→中央アジア→吐蕃→唐→渤海・朝鮮・日本(原田淑人説) 渤海の使者が嵯峨天皇の御前でポロを披露
ペルシア→ヨーロッパ:ホッケー、クリケット、ゴルフなどの母胎
727『万葉集』打毬(だきゅう)=ポロ
227
双六:インド→中央アジア→中国→日本 正倉院の双六と似たものが新疆ウイグルのアスターナ遺跡出土 ウルからも別種の双六が出土
インド→ペルシア→ギリシア・ローマ