アラビアン・ナイト(4)
前嶋信次訳『アラビアン・ナイト(4)』平凡社、1967年
オマル・ブヌ・アン・ヌウマーン王とそのふたりの御子シャルカーンとダウール・マカーン、そしてこの人たちに起こった驚異・珍奇な物語
オマル・ブヌ・アン・ヌウマーン=バグダードの領主
シャルカーン=長兄、ダマスクスの太守
ダウール・マカーン=次兄、バグダードの王になる
ヌズハトッ・ザマーン=妹
大臣ダンダーン
ルスタム=チュルク軍の主将
バハラーム=ダイラム軍の主将
ダートッ・ダワーヒー=まがつびの媼
- ヌズハトッ・ザマーンと商人の話
ヌズハトッ・ザマーンが奴隷として売られる。 - ヌズハトッ・ザマーンとシャルカーンとの話
シャルカーン王が妹と知らずヌズハトッ・ザマーンを買い、解放して結婚する。二人の間に女の子(クディヤ・ファカーン)が産まれたあと、実の兄妹だと知る。ヌズハトッ・ザマーンは侍従と結婚しダマスクスからバグダードに向かう。 - ダウール・マカーンと火夫の話。ふたりしてヌズハトッ・ザマーンの一行とともにバグダードに旅すること。
旅の途中、ダウール・マカーンとヌズハトッ・ザマーンが再会。 - 侍従と大臣ダンダーンの話。およびオマル・ブヌ・アン・ヌウマーン王の他界のいきさつ
ダウール・マカーンが父の王位を継承しバグダードの王になる。 - オマル・ブヌ・アン・ヌウマーン王暗殺のいきさつ話
- シャルカーンとダウール・マカーンが聖戦の軍を整える話
- ムスリミーンの軍、大いにキリスト教徒軍と戦う話
- ハルドゥーブ王の母まがつびの媼の姦計の話
- 再びムスリミーンの軍、大いにキリスト教徒軍と戦う話
- シャルカーンとアフリードゥーン帝が決闘し、シャルカーンが傷つく話
- ダウール・マカーンがハルドゥーブ王を討ち取る話
- シャルカーンがまがつびの媼に虐殺され、山中に埋葬される話
- ダウール・マカーンが将士とともにシャルカーンのために哀歌を詠じて悼む話
【歌姫】
pp47
...ダマスクスの歌姫だちを総あげに呼び寄せる...王や大官たちの女奴隷のうち、歌謡の心得のあるものもこれらといしょになり、...一方では歌い女たちや侍女たちは、姫を連れていき、お化粧やら衣裳づけやらにとりかかりましたが...
pp47
...ダマスクスの歌姫だちを総あげに呼び寄せる...王や大官たちの女奴隷のうち、歌謡の心得のあるものもこれらといしょになり、...一方では歌い女たちや侍女たちは、姫を連れていき、お化粧やら衣裳づけやらにとりかかりましたが...
【あとがきより】
帝王学=「君主の鏡」というひとつの文学のジャンル、ササーン朝ペルシアからの伝統
司馬光『資治通鑑』
呉兢『貞観政要』
イブン・アッ・ティクタカー『アル・ファクリー』(アッバース朝通史)
アル・ガザーリー『君主へのすすめ』★
アル・マーワルディ『アル・アハカーム・アッ・スルターニヤ』(国家統治論)
イブヌル・ムカッファ『カリーラとディムナ』インドのパンチャタントラ→中世ペルシア語→アラビア語訳
ジャーヒズ『キターブ・アッ・タージ』(王冠の書)
イブン・クタイバ『キターブ・アッ・スルターン』(帝王の書)
カイ・カーウス王『カーブースナーマ』(カーブースの書)★
ニザーム・ル・ムルク『シヤーサトナーマ』(政治の書)★
★は前嶋先生が三大名著としている。